国際結婚から離婚に至る国際離婚の割合
国際カップルは、日本人カップルより夫婦継続が難しそう。きっと離婚率も高いはず。
そう思っている方は多いと思います。
文化の違い、言葉の壁、日本を離れて暮らす寂しさなどなど、日本人パートナーと日本で暮らす結婚に比べたら、国際結婚は見た目は華やかですが、実際は苦労が多そうですものね。
かく言う私もオーストラリアの夫と暮らす日本人妻で、オーストラリアという海外に暮らす、「見た目は華やかだけど、実際は苦労が多そう」なカップルの一人です。
さて気になる離婚率ですが、厚生労働省の統計によれば、国際離婚も日本人同士の離婚も、離婚率はほぼ同じで約30%です。
良好な夫婦関係を保つのは、日本人同士のカップルであっても、片方が外国人という国際カップルであっても、同じくらい大変で、同じくらい長続きもする、ということが言えるのでしょう。
では今から、日本人カップル、欧米人カップル、日本人と外国人の国際カップル、この3タイプ夫婦の主な離婚理由についてみてみましょう。
離婚の原因と理由トップ10
日本人カップルの離婚理由トップ10
これは裁判所が提示している最新の離婚原因ランキングです。男性側の離婚理由と女性側の離婚理由は同じで、順位だけが異なりました。
・性格の不一致
・精神的な虐待
・金銭問題
・不倫
・暴力
・性的な不調和
・浪費
・家庭を軽視
・親族との不仲
・その他
「性格の不一致」ですが、これが離婚原因の半数を占める大きな理由になっているようです。芸能人の離婚会見などでも「性格の不一致」はよく耳にしますが、とっても不透明ですよね。欧米のセレブたちが離婚するときも、この「性格の不一致」はよく挙がってくる理由です。
「で、本当の理由は何だったの?」と、聴きたくなりますが、離婚という当人同士のとっても個人的な問題を、赤の他人である一般人に正直に述べる必要などないわけですから、「性格の不一致」で濁すのは離婚当事者の二人にとっては正当な回答かもしれません。
欧米の離婚理由トップ10
あるサイトでは、欧米諸国の離婚原因トップ10をこんな風に報告しています。
・不倫
・金銭問題
・コミュニケーション不足
・絶え間ない口論
・体重増加
・結婚に対する非現実的な期待
・親密さの欠如
・平等性の欠如
・結婚への準備ができていない
・暴力(身体的な暴力や言葉の暴力)
さすが欧米、さすが正直、と思わず笑ってしまったのが、離婚原因の一つに「体重増加」を挙げているところです。
日本で、離婚したい理由を「夫/妻の体型が変わってしまって性的な魅力を感じなくなったから」なんて言ったら、非難ごうごうでしょう。顔や体型に老いが生じても、一生愛し続けるのが夫婦というものだからです。でも、これこそ本音かなって思いませんか?
欧米諸国では、肥満は深刻です。オーストラリアでも肥満は深刻な問題となっています。
私はオーストラリアで結婚相談所を開いていますから、オーストラリアの独身男性とも既婚男性とも話すをする機会が多いのですが、男性陣が共通して嘆いているのが欧米人女性の肥満についてです。ただし、肥満と聞いて日本女性のぽっちゃり体型を思い浮かべないでくださいね。日本女性のぽっちゃり体型は欧米では普通サイズで通ります。
ある日、スーパーマーケットでこんな光景を目にして夫と二人で笑ってしまったことがあります。
30代くらいの若いカップルがスーパーで買い物をしていました。女性が次々とスナックをショッピングカートに入れていく傍、男性がそれを一つ一つ棚に戻していたんです。側で見ていた私たちには可愛いジョークに見えましたが、当人たちにとっては深刻な問題の始まりだったのかもしれません。
日本人女性が欧米でモテる理由の一つは、欧米の女性たちほどには太らない、そんな遺伝子の持ち主だからかもしれませんね。
国際カップルの離婚理由トップ10
次に、国際離婚を専門に扱っている弁護士さんの記事を参考に、国際離婚の原因となる主なものを挙げてみました。
・食文化の違い
・仕事に対する考えの違い
・育児に対する考えの違い
・性生活に対するあり方の違い
・お金に対する考えの違い
・義理の家族との不仲
・言葉の壁からくるコミュニケーション不足と誤解
・日本への恋しさ
・不倫
・暴力
国が変われば文化も変わります。仕事や育児、お金や余暇の使い方、夫婦の時間やセックスのあり方など、ことごとく、「あ、違う」と気づいたり驚いたりの連続となります。そしてそれらは、ある程度覚悟の上での国際結婚だっただろうと思います。
その中で、こんなにもストレスが溜まるとは思わなかった、と実生活に入ってから気づくことの一つに、「食の違い」というものがあります。食事のことはどうにかなる、と思っている方がいたら、あるいはあなたのパートナーがそう思っているとしたら、ここはきちんと事前にパートナーとなる人と話し合っておいたほうがいいでしょう。
食べたいものが手に入らない、食べたいものがパートナーと違う、このストレスは想像以上だからです。
私の親しい友人の一人で、日本食を全く食べないオージー男性と結婚し、まる2年間、彼に合わせて日本食を一切食べなかった女性がいます。彼女はだんだん鬱になり、どうしようもないくらいの鬱になりました。原因は、彼に合わせて食べたいものを食べていなかったからです。これ、笑えない話です。
私はハンサムでイケメンなイタリア男性と付き合ったことがありますが、彼はイタリアンしか食べない人で、アジアンな食事なんて一度も食べたことがない人でした。彼は40代になったばかりでしたが、家をすでに3件も建てており、その家賃だけで十分暮らせるだけの財産も持っていましたが、お米と漬物が食べられなくなることを想像した時、私はあっさり彼と別れました。働く必要がない暮らしより、お米と漬物が食べられるなら働くわよ、というのが私だったからです。
今から思えば、うーん、惜しいことしたかも、ですが。
オーストラリアの国際離婚事情 その理由と原因
パートナーとの関係性より子供との関係性を重視
先に国際離婚の主な理由トップ10を述べましたが、オーストラリア人と結婚した日本人が離婚するときの原因となるもの、そして理由として述べられるものは、おそらく国際離婚の主な理由トップ10とさほど変わりはないだろうと思います。
お国柄や文化の違いからくる
・食の違い
・仕事に対する考えや姿勢の違い
・育児に対する考えや取り組み方の違い
・性生活に対す考えやあり方の違い
・お金の使い方や貯蓄に対する考えの違い
・日本への恋しさ
家族との不仲
言葉の壁からくるコミュニケーション不足と誤解
世界のどこでも共通している理由
・不倫
・暴力
私はオーストラリアで国際結婚相談所を始めるまでは小顔サロンを開いていたんですが、お客様の80%が国際結婚してオーストラリアで暮らしている日本人女性たちで、残り20%が現地のオーストラリア人女性たち、という構成でした。
お肌を触るお仕事というのは、お客様とセラピストとの心の距離をグッと近づけてくれるものです。そのため、お客様たちからご家庭のお話などを伺う機会がたくさんありました。
その中で、第三者として話を聞いてきた私が、日本人妻とオーストラリア人妻との違いをあげるとするならば、日本人妻は子供の話はするけれどパートナーの話はしない。オーストラリア人妻は子供の話はしないけれどパートナーの話はする、という点。そしてもう一つ。日本人妻は家庭内の話が多く、家庭外の話はあまり出てこない。オーストラリア人妻は家庭内の話はほとんどなく、家庭外の話で盛り上がる、という点です。
日本人妻は誰との関係に重きを置き、オーストラリア人妻は誰との関係に重きを置いているのか、これだけでもわかると思いませんか?そして欧米の男性(夫)は、どちらの女性と一緒に暮らしたいと思うのでしょうか。
夫との関係性よりも子供との関係性を重要視しがちな日本文化で育った日本人妻、専業主婦で退屈しない日本人妻にとっては、これは案外大きな落とし穴かもしれません。
自己主張しない日本文化が国際結婚に及ぼす負の影響
上記のトップ10には挙げられていませんが、自己主張しない文化で育ってきた日本人にとって、主張すべきところはしていかなければならない国際夫婦関係というのは、初体験であり、慣れていない関係作りかもしれません。
主張というと強い感じがしますね。主張というより、自分の素顔な気持ちと言い換えることにします。
私は「こう感じるの。こう思うの。あなたとこんなことがしたいの。あなたがそれをするととっても悲しくなるの。」
それを素直に言える勇気。それを言っても嫌われないという自分と相手を信じる覚悟。と言えるかもしれません。
私はこれについては完全に不慣れで、初体験で、ハードルが高く、それゆえ、結婚して最初の数年は「黙りこくる」という幼稚な態度で対応していました。初級レベルの英語力では、それが精一杯でもあったからです。
これは今日に今日改善できることではなく、パートナーの協力と自分の努力、この二つがないと健全なコミュニケーションが取れるようになるには時間と労力を要します。ここを越えられなくて、あるいは越える前に諦めて離婚していく国際カップルも多いように思います。
オーストラリアで国際離婚から学んだこと
ここに、オーストラリアの男性と結婚し、長年の結婚生活の末、離婚をした女性がいます。
彼女は離婚から何を学び、今どんな気持ちで新たな出発をしようとしているのか、是非、ご覧ください。